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なるほど 摂食嚥下障害 監修:浜松市リハビリテーション病院 病院長 藤島一郎先生

誤嚥性肺炎とは

食べ物が食道ではなく気管に入ってしまった場合、通常はむせて気管から排出する反射機能が働きます。
しかし、この機能が鈍ってしまうと、気管に入り込んでしまった食べ物を排出できず、結果として肺炎を起こすことがあります。

このように、食べ物や唾液などが、気管に入ってしまうことを誤嚥(ごえん)といい、誤嚥が原因で起こる肺炎を誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)といいます。
食べていなくても誤嚥性肺炎になってしまうこともあります。

口を使わず、胃に直接チューブを入れて栄養物を送り込む(経管栄養)状態の方でも、誤嚥性肺炎になることがあります。睡眠中などに、唾液や異物が気管に入り(不顕性誤嚥)、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。

不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)とは

通常は誤嚥するとむせると考えますが、誤嚥してもむせなかったり呼吸苦が起こらないなど誤嚥の徴候が捉えられないこともあり、これを不顕性誤嚥といいます。健常者でも睡眠中に無自覚に唾液などを誤嚥しているとされています。

誤嚥性肺炎のサイン

誤嚥性肺炎には、次のような典型的な症状があります。

  • 発熱
  • 激しい咳と膿性痰(のうせいたん=黄色いタン)が出る
  • 呼吸が苦しい
  • 肺雑音がある

これらは風邪と間違えて診断されてしまうことがあり、特に高齢者でこのような症状がある場合は誤嚥性肺炎の可能性を考える必要があります。

また高齢者の場合は普段の生活で、肺炎とは無関係のような次の症状が見られる場合でも、肺炎の可能性があります。

  • 元気がない
  • 食事時間が長くなる
  • 食後に疲れてぐったりする
  • ぼーっとしていることが多い
  • 失禁するようになった
  • 口の中に食べ物をため込んで飲みこまない
  • 体重が徐々に減ってきた
  • 夜間に咳き込む

日常生活の変化に気をつけ、これらの兆候がみられたら、すぐにかかりつけの医師や病院に相談することが、誤嚥性肺炎の発見につながります。

誤嚥性肺炎の危険因子

誤嚥性肺炎の危険因子を示しました。危険因子を持った方にできることで、特に口腔ケアが肺炎を予防するという報告が多くなっています。

誤嚥性肺炎の危険因子